業務内容
家族信託
認知症や病気で判断能力が低下したと判断された瞬間、銀行口座は凍結されます。たとえ実の子であっても、親の口座から入院費や介護費を引き出すことは一切できなくなります。
・ 実家の売却もリフォームもできない
・ 家族が介護費用を立て替え続けなければならない
この「資産凍結」を回避できる法的手段が、家族信託(民事信託)です。

「親が認知症かも」と気づいて銀行に相談すると、銀行の信託商品を勧められることがあります。しかし、銀行商品には次のような制約があります。
・ 高額な管理手数料:毎月数万円、または資産の数%が生涯にわたって差し引かれ続ける場合があります。
・ 対象は金融資産のみ:自宅(不動産)の管理や柔軟な家族への承継には対応しきれないことが多い。
当事務所が作成する家族信託(民事信託)は、銀行に依存せず家族の間だけで完結する仕組みです。月々の管理手数料は 「0円」 にでき、大切な資産を1円でも多くご自身とご家族のために残せます。

認知症が進行してから慌てて法定後見制度を利用すると、次のような制約が生じます。
・ 家庭裁判所が選んだ専門家(弁護士・司法書士等)が財産を管理する。家族が後見人に選ばれる確率は3割未満とされています。
・ 自宅の売却・リフォーム、生前贈与、孫への教育資金援助は原則として認められない。
・ 専門職後見人の報酬は年間24〜60万円程度。10年間で最大720万円になることも。
・ 一度始めると、本人が亡くなるまで制度の利用をやめられない(終身性)。
| 「0円」 2026年4月閣議決定・2028年施行見込み】成年後見制度の抜本改正について 2026年4月、政府は成年後見制度を約25年ぶりに抜本的に見直す民法改正案を閣議決定しました(2028年夏〜秋頃の施行見込み)。主な改正ポイントは以下のとおりです。 ・ 終身制の廃止:必要なときに必要な期間だけ利用できるよう、途中終了が可能になります。 ・ 「補助」への一本化:現行の後見・保佐・補助の3類型を廃止し、オーダーメード型の「補助」に一本化。 ・ 定期的な見直し:家庭裁判所が年1回の報告をもとに支援の適正性を確認し、必要がなくなれば職権で終了できます。 ただし、この改正はあくまで「使いにくい制度を少し使いやすくする」ものです。財産管理の柔軟性・コスト面では、引き続き家族信託が優れています。また、2028年の施行前に認知症が進行してしまえば、家族信託も法定後見も利用できなくなります。「今のうち」に手を打つことが最も重要です。 |
家族信託の契約には「意思能力」が必要です。「自分の名前がわからない」「家族が誰かわからない」といった重度の認知症状態になると、契約が無効とされ、家族信託を組成できなくなります。
軽度の認知症であれば意思能力が認められることもありますが、判断は金融機関の担当者・公証人・司法書士等が個別に行います。銀行から「法定後見人をつけてください」と言われた時点では、すでに遅い可能性があります。
認知症と診断されると判断能力がないとみなされ、亡くなるまでの長期間にわたって財産が凍結されかねません。癌や心疾患と異なり、認知症は現時点の医学では元の状態に戻すことが困難とされています。
重症化する前に、今すぐ家族信託を検討しましょう。
重症化する前に家族信託を検討しましょう!!!
・ 親御さんへの説明・説得
・ 信託契約書の作成
・ 信託契約書を公正証書にする
・ 信託財産を受託者に名義変更(信託登記)
・ 金銭管理用の銀行口座を開設する

家族信託を始めるには、まず親御さんの同意が必要です。「俺は絶対ボケない」「まだ自分で管理できる」と反論されるケースも多くあります。乗り気でないときにしつこく勧めると意固地になってしまうので、タイプ別のアプローチが大切です。
◆ 理屈で考えるタイプ
「お父さん(お母さん)、家族信託ってどう思う?万が一、転んで長期入院になったとき、休眠口座になって手数料を取られる可能性もあるし、いざというとき口座が使えなくなると困るよね。使っていない口座だけでも管理を任せてもらえない?」
◆ 家族思いの優しいタイプ
「いつも私たちのことを考えてくれてありがとう。もし病気や怪我で口座の管理が難しくなったとき、こっちがすごく困ってしまうんだ。そうならないために、管理を任せてくれない?」
◆ 少し物忘れが始まったタイプ
「お父さん(お母さん)、銀行の口座やパスワード、全部わかる?ほったらかしにすると手数料を取られる可能性があるから、少し整理しよう。家族信託にしておけば、もし忘れても安心だよ」
拒否されたら一度引いて、体調が落ち着いたタイミングで改めて話しかけるのが効果的です。

家族信託の契約書には、それぞれの家族に合った「信託の目的」を定めます。主な目的の例を示します。
・ 認知症や病気による判断能力の低下に備え、財産を家族に託す。
・ 子どもたちに不動産を実質的に平等に相続させつつ、共有名義によるトラブルを回避する。
・ 認知症の配偶者に後見人をつけなくて済むよう財産を遺す。
・ 再婚後も前妻の子どもたちに確実に相続させる。
・ 障害のある子の将来の生活を保障する(親なき後問題)。
・ ペットの生涯の世話を確実に行う仕組みをつくる。
信託する財産(現金・預金・有価証券・不動産など)、受託者(財産を預かる人)、受益者(利益を受ける人)、信託終了後の帰属先を、家族間で十分に話し合って決めます。法律の専門知識が必要なため、専門家への依頼をお勧めします。
信託契約書は公正証書にすることをお勧めします。公正証書にする主なメリットは次のとおりです。
・ 後から内容を覆すことが困難になるため、契約の確実性が高まる。
・ 現金・預金・株式等を信託する場合、贈与と勘違いされて贈与税が課される危険を回避できる。
・ 契約書を紛失するリスクを回避できる。
なお、信託財産が不動産のみの場合は、必ずしも公正証書にする必要はありません。

信託財産に不動産が含まれる場合、所有権を委託者から受託者に移転する信託登記が必要です。この登記は「信託のための移転」であり、贈与ではないため、贈与税・不動産取得税は発生しません。登記後は受託者がその不動産を売却・修繕できるようになります。

信託財産に現金が含まれる場合、受託者名義の専用口座を開設します。受託者の個人資産との混在を防ぐためです。銀行によっては「委託者○○ 受託者××」という形の名義を設定できます。

飼い主が亡くなったり入院・認知症になったりした後も、愛するペットを最後まで面倒みてもらうための仕組みです。
飼い主が亡くなったり入院・認知症になったりした後も、愛するペットを
最後まで面倒みてもらうための仕組みです。
【仕組みの例】飼い主を委託者・当初受益者、信頼できる家族を受託者とし、飼育・管理に必要な資金を信託します。受託者は、飼い主が世話できなくなった場合に動物愛護施設等に委託し、費用を信託財産から支払います。「財産だけ受け取ってペットは放置」という事態を防げます。

ギャンブルや過度な浪費で家計が困窮している場合、一定の金銭を配偶者に信託し、もう一方が厳重に管理する仕組みです。贈与ではないため贈与税の問題が生じにくく、離婚を終了事由に設定することで、双方が納得できる管理が実現します。
子どもが複数いる場合、不動産を共有相続させると、修繕・売却に全員の合意が必要となり、一人でも反対・認知症になると身動きが取れなくなります。
家族信託を使えば、不動産の「所有権(元本受益権)」と「家賃収入を得る権利(収益受益権)」を分けて、実質的に子どもたちを平等に扱いながら、一人の受託者が管理できる仕組みを作れます。
妻が認知症で、自分が先に亡くなった場合の不安に対応できる仕組みです。
● 自分が生きているうちに、娘や息子を受託者として財産を信託します(自分が第1次受益者)。
● 自分の死後は妻を第2次受益者とし、受託者が妻のために財産を管理・使用します。
● 自宅が認知症の妻名義になっても、受託者が売却手続きを進められます。
● 監督人を設けることで、受託者が適切に管理しているか確認する仕組みも作れます。
遺言書では認知症の妻の財産凍結問題を解決できませんが、家族信託ならこれを乗り越えられます。
介護負担が異なる姉妹間で、遺産を不平等にしたいが「後から遺言を書き換えられる」心配がある場合に有効です。信託契約では残余財産の帰属割合に「変更不能」条項を加えることができます。仮に一方がひょっこり戻って親を説得しても、信託財産に関する部分は遺言で変更できません。介護を担う家族の貢献を確実に反映した資産承継が実現します。

家族信託の組成費用(契約書作成・登記・口座開設等の初期費用)は、財産の規模や内容によって異なります。詳細はお気軽にご相談ください。
法定後見制度を使った場合の専門職後見人への報酬(年間24〜60万円)と比較すると、長期的には大幅なコスト削減になるケースがほとんどです。
